【トピック】リハビリにまつわる話

言語聴覚士は「リハビリテーション専門職」のひとつ

医療・福祉・教育など関連職種の人たちとチームを組んで働いています。

この「リハビリテーション」という用語、今では多くの人が知っている言葉ですね。

語源は、ラテン語の 「habilis」(適した) から出た 「habilitare」 に「ri」(ふたたび) がついて 出来上がったことば「ふたたび、能力を持たせる」  そんな意味があるといわれます。

 

日本のリハビリテーション医学の発展に尽力した 砂原茂一医師は

『人間であることの権利、尊厳が何かの理由で否定され、人間社会からはじき出されたものが復権するのがリハビリテーション』 (「リハビリテーション」砂原茂一著)

と、述べています。

病気やケガで、今まで当たり前に出来ていたことが困難になったとき

機能回復だけでなく、患者さんやご家族が望まれる「新しい生活」を創るために

共に努力する。

言語聴覚士は、とてもクリエイティブな仕事だといえます。

 

山陰言語聴覚士協会  理事 野津裕子

【トピック】おすすめしたい一冊(2)

猛暑とコロナ禍が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。 

・ マスク生活が続くと表情表現も減り、それにより顔の筋肉もたるんできます。
これは嚥下機能にも大きく影響する事態であり、しいては誤嚥性肺炎を引き起こすきっかけにもなりかねません。
そこで、状態に合わせたトレーニング法が写真付きで載っている本をご紹介します。
*ムセはじめたら、「1分のどトレ」/著者 藤谷順子 世界文化社 (公式ページ) 

・ コミュニケーションをとることが難しい方に対しての支援方法を、当事者の方が書かれた本です。
*「脳コワさん」支援ガイド/著者 鈴木大介 医学書院 (公式ページ) 

・ 「本を読むことが好き‼」という方へご紹介。
*のどちんこの話 摂食嚥下・呼吸・発声との微妙な関係/著者 松矢篤三・古郷幹彦 医歯薬出版 (公式ページ)
*奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき/著者 ジル・ボルト・テイラー 新潮文庫 (公式ページ)
*オノマトペ擬音語・擬態語の世界/著者 小野正弘 角川ソフィア文庫 (公式ページ)

  どうぞ手に取ってみて下さい。

三朝温泉病院 荒尾かず子 (三朝温泉病院)

【トピック】おすすめしたい一冊

おすすめしたい一冊の本

「ぼく モグラ キツネ 馬 」

チャーリー・マッケンジー著 川村元気訳

子どもにも大人にも読んでもらいたい不思議な包容力を感じる本。

テーマは「友情」。

ひとりぼっちの「ぼく」が哲学家の「馬」と、寡黙な「もぐら」と叡知にとむ「馬」と旅しながら、自分の居場所を探す。心に響く言葉がたくさん出てくる。特に印象に残ったのは、“いままで、あなたがいったゆうかんなことばは?”ぼくがたずねると馬はこたえた。“たすけて” “キツネはぜんぜんしゃべらないね”ぼくがささやくと馬が言った。“そうだな。でもいっしょにいることがすてきじゃないか”

問いかけのこたえが、予想をはるかに超える。是非、手にとって読んでみてほしい一冊。

 

一般社団法人 言語聴覚士協会

島根県言語聴覚士会 理事 原 順子

職場紹介 松江赤十字病院(島根県松江市)

ST在籍:7名の言語聴覚士(ST)が所属しています。 
当院は599床を有する急性期病院です。
毎日のように新しい患者さまへのリハビリ依頼があり、
発症・入院当日から介入することも多々あります。 
脳血管障害や口腔・骨・咽喉頭腫瘍等による器質的疾患、
呼吸・循環器疾患や手術等による長期臥床により生じた、
失語症・構音障害・音声障害・高次脳機能障害・
嚥下障害など、様々な問題を有した患者さまに対して
言語聴覚療法を行っています。 
対象は、小児から成人まで幅広く対応しています。
また少数ではありますが、外来リハビリも行っています。
患者さまが少しでも早く回復し、元の生活へ戻れるよう、
介入当初から多職種で連携をとりながら関わっています。
言語聴覚士同士でも情報共有を行い、先輩から後輩への
指導も積極的に行っており、日々研鑽に努めています。 

松江赤十字病院  言語聴覚士 西本 祥

【トピック】鳥取県失語症者支援センターの開設

「失語症は毎年6万人発症し、そのうち後遺症として失語症が残存するのは年間3万人」と言われています。
多くの方は、話す、聞く、読む、書く、計算するなどコミュニケーションに問題を抱えたまま、家族ともに社会で生活しています。

しかし、今までは退院後の家族や失語症のある方への情報提供や支援が不十分で社会的な孤立化を招いていました。

鳥取県では、一般社団法人山陰言語聴覚士協会と協力し、令和3年度より「鳥取県失語症者向け意思疎通支援者派遣事業」の一環として、「鳥取県失語症者支援センター」を設置し、県内の失語症者への支援、情報提供に乗り出しました。

また今後は、鳥取県失語症者支援センターを拠点とし、「失語症者向け意思疎通者の派遣」を進めていきます。

〇鳥取県失語症者支援センター
 住所:〒683-0067米子市東町177東町ビル2階 (Google Map)
 TEL:0859-21-5478(担当:田村)
 eメール:tottorist.situgosien@gmail.com

鳥取県失語症者支援センター(パンフレット)

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職場紹介

リハビリテーションカレッジ島根(島根県浜田市)

本校は島根県西部の浜田市三隅町にあるリハビリテーション専門職の養成校です。
1998年に開校し、今年の1年生が24期生となります。
言語聴覚士を養成する言語聴覚学科は、日本の養成課程の中では比較的歴史があり、卒業生は中国地方を中心に全国で活躍しています。

本校は高卒4年課程の学校ですが、学生は10代を中心に上は50代まで在籍しており、入学までの経歴も様々ですが、言語聴覚士として現場で働くことを夢見て日々頑張っています。

5人の教員も「難しいことを分かりやすく!」「学びを楽しく!」をモットーに学生教育を行っています。
1年ごとに学生との年齢は離れていくため、若者の感覚についていこうと私たちも必死です!

現在、山陰両県で言語聴覚士を目指すことができる養成校は本校のみとなりました。
その責任を感じながら、また現場や地域のニーズを感じながら、今後も社会に貢献できる言語聴覚士を輩出していきたいと思います。

リハビリテーションカレッジ島根・青木 耕

リハビリテーションカレッジ島根

職場紹介

鳥取大学医学部附属病院(鳥取県米子市)

鳥取大学医学部附属病院には5名の言語聴覚士(ST)が所属しています。
大学病院の特性上、発症直後の患者から難病疾患、乳幼児から高齢者まで対象は幅広く、全診療科の依頼に対応しています。

私たちは、早期に介入し評価を行い、多職種と連携して安全な栄養摂取、服薬、コミュニケーションがとれるよう、環境調整を含めたリハビリテーション(以下リハビリ)を行っています。
また、転院、退院後の生活を見据えた目標を各患者の状態や環境に合わせて立案、適切なリハビリを計画、実施するよう取り組んでいます。

外来リハビリは、他院での対応が困難、あるいは当院医師との連携が必要な患者さん(難聴、口蓋裂、音声障害等)に限り実施しています。
現在、音声リハビリは、コロナ対策の為、閉鎖となっています。

鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション部・清水

鳥取大学医学部附属病院